ゲイツ氏らのエネルギーVCの注目領域まとめ

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ビル・ゲイツ、孫正義、ジェフ・ベゾス、ジャック・マー、リチャード・ブランソン、ジョン・ドーアら著名人が出資するエネルギー関連のVCのブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズが実際に投資した会社についてビル・ゲイツやジェフ・ベゾスが投資している再生可能エネルギー関連スタートアップの記事で紹介しました。

それ以外にはどのような領域に注目しているのかを見ると、今後こういった領域でベンチャーが出てくるのだろうなという想像ができるので、ブレイクスルー・エナジーが投資したいと考えている領域についてまとめます。

Breakthrough Energyの投資領域

ビル・ゲイツらが出資するエネルギー関連VCのブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ(以下BEV)が投資しようとしている領域はカテゴリとしては、電気、交通、農業、製造、建物の5つの領域になります。それぞれの内容についてキーワード程度になりますが紹介していきます。

電気

タイトル 解決すべき問題
次世代の核分裂 安全で、核兵器の拡散につながらない、低コストで早く造れて、核廃棄物が少ないもの
高温岩体地熱発電 穴を掘るコスト、複雑な水と熱の流れの制御、効率的に電気に変える方法など
超低コストの風力発電 よりコストを下げる、より高い場所、深海での洋上風力発電
超低コストの太陽光発電 より多くの太陽光がグリッドに接続されても大丈夫なようにする、よりコストを下げる。
核融合 核融合エネルギーの開発
核融合 核融合エネルギーの開発
超低コストの蓄電 低コストの蓄電技術の開発
超低コストの蓄熱 溶融塩以外のよりコストが低く、効率的な蓄熱方法の開発
超低コストの送電 超電導直流送電の開発及び普及
低コストの海洋エネルギー 波力発電、海流エネルギー、潮力発電などの新しい技術の開発、低コスト化
次世代のグリッドマネジメント 太陽光などの色々なエリアで発電したものがグリッドに容易につなぐことができる仕組み
すぐにランプに対応できる低GHGの発電所 太陽光や風力が足りない時などにすぐに対応できる低GHGの発電
低GHG、信頼できる、分散した電力 低GHGの天然ガス燃料電池テクノロジーの改良
二酸化炭素の回収 既存の技術が高すぎるため低コスト化が必要
二酸化炭素隔離 二酸化炭素を隔離し、別の有益な化学物質に変える方法の開発

交通

タイトル 解決すべき問題
ガソリンと同等レベルのEVのバッテリー 安く、遠くまで行けて、すぐ充電できることが求められているのでバッテリーやバッテリーの充電技術の発展
軽い素材、構造 車体を軽くするために、カーボンファイバーのような強くて軽い素材を安く作る
低GHGの液体燃料 バイオマス以外 エネルギー密度やコストの改善
低GHGの気体燃料 水素・メタン エネルギー密度やコストの改善
高エネルギー密度の気体燃料ストレージ エネルギー密度やコストの改善
高効率な熱機関 エンジンのエネルギー効率が25%程度で理論的には倍程度まで改善できる
高効率、低コストの電気エンジン 60%の効率の水素エンジンを80%まで改善する、レアメタルの触媒を減らす、流通しやすくためやすいアルコールや炭化水素の利用
低GHGの液体燃料 バイオマス 藻類バイオマスなどバイオマス燃料のコストの改善
効率的な交通機関システム 最適ルート、渋滞管理、ドライバーサポートシステム、カープーリング、マルチモーダル交通などの開発
移動を必要としなくするテクノロジー 直接会わなくて済むコミュニケーションツールの開発と浸透
テクノロジ−を使った都市計画 様々なデータを活用した交通の効率最大化を図る都市計画
低GHGの飛行機輸送 エンジンの効率化、航空力学を使った改善、軽い素材や低GHGの燃料利用など
低GHGの水上輸送 エンジンの効率化、原子力推進、風力推進、軽い素材や低GHGの燃料利用など

農業

タイトル 解決すべき問題
農業でメタン 一酸化窒素を減らす 適正な肥料の利用、肥料からの一酸化窒素抑制、稲作でのメタン発生の改善
GHGを発生しないアンモニアの製造 電気化学や太陽光をつかったアンモニア生成などの開発
反芻動物が発するメタンを減らす 反芻動物が発するメタンを減らす方法、肉やミルクを使わない食品の開発
低コスト、低GHGの新しいタンパク源 昆虫、バクテリア、マイコプロテイン、人工肉などの新しいタンパク源を人間や家畜に与える
食品廃棄を無くす 食物に関わる全てのサプライチェーンの見直し
GHGを減らし、CO2を貯められる土壌管理 前シーズンの残りの作物を置いたり、被覆作物を植えるなど、土壌から出てしまったCO2を戻す
糞尿の処理 糞尿からの一酸化窒素やメタンの発生をへらすために食事の改良や、肥料化の改良、嫌気性消化法の改良など
農業に関わる森林伐採 より狭い場所での畜産や、パームオイルなど森林伐採の大きな原因になるものの代替品の開発

製造

タイトル 解決すべき問題
低GHGの化学薬品 プラスチックや肥料、合成繊維を作る際に利用する化学薬品をバイオマスにする、低GHGの電気や熱を使う方法の検討
低GHGの鉄鋼 二酸化炭素の回収・貯留の実現や、酸化鉄の還元に天然ガスや低GHGの電気や水素などを使う技術
低・マイナスGHGのセメント 二酸化炭素の回収・貯留の実現や、セメントやコンクリートの代替品の開発、逆に生成時にCO2を利用する技術
排熱の回収・転換 150度以下の排熱が無駄にされているので、電気や他の製品に変える方法の開発
低GHGの熱工程 二酸化炭素の回収・貯留の実現や効率的で、低GHGの電気を使ったヒートポンプ技術の開発
低GHGの紙製造 紙を乾かすのに半分以上のエネルギーが使われているため、効率的な乾燥技術の開発や使ったエネルギーを再利用する技術
超効率的なIT/データセンター 電源効率のよいマシンや、冷却技術、必要エネルギーの少ないセミコンダクタの開発
メタンガスの漏れをへらす 天然ガス製造時のメタンの漏れを減らすためのモニタリング技術などの開発
エネルギーを使う製品・素材の耐久性 エネルギーを使う製品の耐久性を高めることで結果エネルギーの使用量が減るのでより耐久性の高い、モジュラー構造で簡単に交換できる製品の開発
リサイクルの変革 ゼロから作るよりはリサイクルの方が鉄鋼のリサイクルなら74%、アルミニウムなら95%も少ないエネルギーで可能だが、コストが倍くらいなため少ない。コスト低減が必要
バイオマスのCO2吸収率を増やす 植物によるCO2の吸収率を品種改良等で増やす
環境からCO2を回収する CO2を大気から吸収するのに濃度が薄いのと広範囲に及ぶため現実的な方法ができていないので、それを可能にする技術

建物

タイトル 解決すべき問題
高効率、HFCを使わない冷媒 HFCを使わないで済む冷媒の開発
高効率の暖房/湯沸かし器 ヒートポンプを含めた効率的で低コストな暖房/湯沸かし器の開発
ビルレベルでの蓄電・蓄熱 ビルを電力を使うものにせず、発電し、蓄電・蓄熱できるものに変える
高効率な窓・断熱壁 熱を通さない窓や壁があるだけで、電力の消費量は大きく減るためそれが可能な製品の開発
高効率な照明 より効率的なLEDやLEDを超える省エネ照明の開発
高効率な家電 より効率的な家電の開発
次世代のビルマネジメント センサーや制御装置、エネルギー管理システムの導入による効率的なビル運営の実現
テクノロジーを使った効率的なビル・コミュニティ より効率的な設計ができるツールやその共有ができるコミュニティーなど

参考資料

Breakthrough Energy Ventures

Breakthrough Energy Ventures Unveils Its 5-Part Investment Strategy | Greentech Media

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