食品廃棄・フードロスの廃棄物量上位企業での発生量はどれくらいか

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日本での食品廃棄物・食品ロス(フードロス)の発生量は平成26年度で食品廃棄物が2,775万トン、食品ロスが621万トンとなっています。食品廃棄・フードロスと地球温暖化にどんな関係があるのかの記事でも書いたとおり、食品廃棄・フードロスは温暖化にも影響がある問題で、解決したい問題ではあります。フードロスというと、2月の恵方巻きが大量に余ったなどのニュースからコンビニやスーパーのイメージが大きいですが、実際に大企業で発生している食品廃棄・フードロスの量はどれくらいなのでしょうか。

食品ロスの事業系の発生量

フードロスの発生量621万トンのうち、事業によって発生したもの(事業系)が339万トン、家庭で発生したもの(家庭系)が282万トンとなります。

事業系のものを業種別に見ると以下のようになります。

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廃棄物量の上位企業

日本の温室効果ガス排出量上位企業が占める割合はどれくらいかの記事でも紹介した、東洋経済新報社のCSR企業白書の中に、廃棄物等総排出量ランキングがあります。

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全ての廃棄物量なので、食品廃棄物の量ではないですが、廃棄物の多い企業の参考として、上位200位の中で食品、小売の会社をあげてみると、

セブン&アイホールディングス,ユニーファミリーマートホールディングス,日本ハム,サントリーホールディングス,イオン,ローソン,サッポロホールディングス,コカ・コーラボトラーズ,キッコーマン,日本マクドナルドホールディングス,味の素,日清製粉グループ本社,森永乳業,ニチレイ,昭和産業,J-オイルミルズ,明治ホールディングス,三越伊勢丹ホールディングス,カルビー,伊藤園,伊藤ハム,髙島屋,日清食品ホールディングス,雪印メグミルク,日清オイリオグループ,イズミ,ワタミ,オーケー食品工業

といった会社があります。量としてはセブン&アイホールディングスの670,280トンを一番に、合計が2,817,867トンになります。

ざっくりな概算ですが、30〜50%が食品廃棄物と思われるので、約84.5万トン〜140万トンがこれら上位企業による食品廃棄物の量と見ておけば大体の量としてはよいのではないでしょうか。

上記のうち小売企業で発生したものは食品ロスであろうという考えでいくと、上記企業のうち小売企業の合計が1,507,069トンなので、30〜50%が食品ロスとして、約45万〜75万トンが上位小売企業で発生した食品ロスと考えられそうです。

製造業に関しては単純に食品廃棄物2,775万トンに対して、食品ロス621万の割合と同様に計算して全体の22%程度が食品ロスとすると、29万トン。

合わせると食品ロスの事業系339万トンのうち22〜30%が上位企業と言えそうです。

(前提として、これら企業の中で食品廃棄物のみの量を明確にWebサイトに公開している会社は少なかったため、このような概算で書いています。上記企業内では、日本ハム、キッコーマン、マクドナルド、カルビー、日清食品はすぐにわかる形で食品廃棄物の量を載せていました)

コンビニでの食品ロスはどれくらいなのか

フードロスの問題が話題になると、消費期限切れによる廃棄や、売り損じを防ぐための過剰発注、恵方巻きの例のような季節性商品の過剰販売などがあがるので、コンビニでどれくらいの食品ロスが発生しているのかを見てみます。

セブンイレブンは報告書ライブラリーの中に環境に対しての取り組みの資料が載っています。ただ、最近の報告書では廃棄物のリサイクル率についての言及になっていて、量については少なくとも分かりやすい形では載っていないです。なので昔のデータですが2005年環境報告書には載っていて、生ゴミの量が1日1店舗平均(23区内844店舗の平均)で14.7㎏となっています。

いまの店舗数20,286と365日で単純に計算すると、108,845トンになります

環境省のスーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要(PDF)に他のコンビニのデータも載っていて、

ローソンが1日1店舗平均で15.2kg、ファミリーマートが15.9㎏

同様に現在の店舗数で計算するとローソンが72,740トン、ファミリーマートが100,006トンになり、3社合わせて281,590トンです。

日本のフードロス全体の621万トンの4.5%を3社のコンビニが占めている計算になります。

このように廃棄物量上位企業で事業系で発生したフードロス全体の22〜30%、コンビニ3社で8.3%を占めています。もちろん多いのですが、逆にいうと残りは他の会社が要因なので、それぞれの会社が食品廃棄・フードロスを減らそうとする意味は十分ありそうですね。

参考資料

環境省|我が国の食品ロス・食品廃棄物等の利用状況等(平成26年度推計)の公表について

農林水産省|外食産業における食品ロスの量:PDF

東洋経済新報社|CSR企業白書2017年版 2017年

環境省|スーパー及びコンビニエンスストアにおける食品廃棄物の発生量、発生抑制等に関する公表情報の概要:PDF

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