大分更新の期間が空いてしまったのですが、これはご紹介したいという本に出会いました。
ビル・ゲイツが書いた気候変動に関する本です。英語ですが、とても読みやすい英語でしたので、気候変動系の話を英語で読む一歩としても良さそうです。
概要としては、現在510億トンの温室効果ガスを排出しているのを、減らすというのではなく、ゼロにするためにどんなことをしていくべきなのかというのを整理しています。
前半の方で書かれている、気候変動系の数値感覚を身につけることができる話しが気候変動に興味のある方どなたにも参考になるのではと思いご紹介します。
510億のうちのどれくらいの割合の話をしているのか
まず、今削減しようとしている排出量が全体の何%くらいなのかを意識しましょうという話です。
例えば飛行機によって1,700万トンの二酸化炭素が発生しているとなった時に、それは全体の0.03%。それは意味のある数字なのかを意識したうえで意思決定した方がいいという話しです
彼がやっているBreakthrough Energyでは、スックなくとも5億トン、全体の1%を超える削減ができる可能性のある技術にしか投資しないようです。
この辺は投資家的な観点が多分にあるので、私個人的にはそれぞれが、それぞれの領域で大きい、小さいに関わらずやれることをやるのはいいとは思っていますが。
電力だけの問題ではない
2番目は気候変動というと電力の話が主に出てきがちですが、それも全体に占める割合で考えると27%ということ。
それよりもセメント、鉄、プラスチックなどの製造の方が多い。ゼロを目指すにあたっては、それ以外の領域に対応していく必要があることがわかります
どのくらいの量の電力の話しをしてる?
電力がどれくらい必要かという感覚はありますでしょうか。私はまだその数値感覚がしっかり身についてなかったので、参考になりました。
目安としては上図の通りで、世界全体が5,000GW、アメリカだったら1,000GW、東京であれば、平均23GWで、最大は50GWくらい、小さい町なら1MW、アメリカの平均的な家庭で1kWということです。
単位の話しはややこしいので、以前書いたこの記事もご参照ください。WとkWhの関係など電力の単位の話し
どれくらいの場所がいる話なのか?
電力を考えた時に、同じ電力を作るのにどれくらいのスペースが必要なのかというのは現実的に考えた方がいいので、同じスペースからどれだけの電力が作れるのかということを知っておきましょうという話しです
こういった数値が頭に入っておくと、学ぶ上でわかりやすいと思うのでご紹介しました。
何においてもベースとなる数値は知っておいた方が問題全体を理解する上ではいいという考え方なので、今まで本ブログで紹介した数値もある程度はまとめているのでそちらも参考にしてください。