環境問題にはどんな種類があるのか

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環境問題といっても色々な種類があるので、どんな問題があり、その関係がどうなっているのかを整理してみます。

環境問題と問題点

環境によらず何であれ問題を解決するときに、実際に何が問題なのかが明確になっていないと間違った方向やあまり効果の無い対応をしてしまうことがあるので、そこを明確にしたいと思います。

ここで使う言葉の定義としては、問題を「困ったと思われる事象」全般のこと、「問題点」は(困った出来事ではあるが)工夫をすれば防げた(コントロール可能だったかもしれない)事象というようにしています。(参考資料3より)

全体像はこのようになります。

環境問題一覧

ゴミ問題は環境問題ではない?

上で書いている図は完全に網羅性があるわけではありません。ただ、できるだけ同じレベル感の問題点を並べられるようにしています。

例えば、よく環境の話になるとゴミ問題が出てきます。上の図には載せてないのですが、ゴミは環境問題じゃないのかと思う人もいるかもしれません。

ゴミの問題が何が問題かというと、

  • ゴミが捨てられていて埋立地などに置いてあると、そこから何かしらの有害ガスが発生して、大気汚染に繋がり人間に悪影響を及ぼす
  • 海洋汚染に繋がり海に放置されているゴミを魚が食べてしまい、その魚が死んでしまうか、その魚を人間が摂取してマイクロプラスチックが体内に入ってしまって体に悪い

などです。

それで考えると、人間や魚に悪影響を及ぼすという環境問題を起こしているものの中で、コントロール可能な大気汚染や海洋汚染という問題点を解決させるために対応が必要な課題の一つがゴミ問題ということになるので、レベル感が違うものになります。

環境問題とは何なのか

環境問題とは何なのかというと、地球上の生き物の生命に対しての危機や、地球自体が破壊されることです。人間と動物と自然自体に分けて考えるとわかりやすと思います。

人間が考えた人間にとっての問題なので、一番大きいのは人間の生命や健康に被害があることというのが一番の問題です。別に異常気象が問題というよりは、異常気象が起きて自然災害が起きることで死者が出るということが問題です。人間にとっての問題が一番の問題だというのは私個人的には違和感がありますが。

動物に関しては「生きている地球指数」によると、1970年から2012年の間に陸域の生物で38%、淡水生態系での生物が81%、海洋の生物が36%も減少しています。

そして、動物の生態系の破壊自体ももちろん問題なのですが、それによって人間の食事に問題が起きるとか、自然環境が破壊され、資源が枯渇することで人間の産業に問題があるといった形で人間以外に影響のある問題が結果として人間に関わる問題になってきます。

環境問題を引き起こしている問題点とは

環境問題を引き起こしている問題点としては以下の10個にまとめてみました。

  • 気候変動
  • 大気汚染
  • 海洋汚染
  • 魚・動物の乱獲
  • 外来種の侵入
  • 森林減少
  • 水不足
  • レアアース・その他資源不足
  • オゾン層破壊
  • 放射性物質の廃棄

例えば気候変動であれば、それによって異常気象、自然災害が頻発、温暖化によって海面上昇し、海水の酸性化も進むことで、サンゴが死滅し、さらに気温が上がっていく。気温上昇によって動物達が現在の生息地を追われ、移動しようとするが、森林伐採や自然破壊によって分断化が進んでいるため、新しい住処が見当たらない。それによって生物多様性が失われ、生態系が回復しにくくなり、砂漠化がすすんでいく。といった形となります。

動物の生態系破壊の大きな理由が気候変動と、外来種の侵入による特に魚に関して乱獲、森林伐採による森林減少などによる生息地の分断になります。

地球の自然環境に関しては、水や、レアアースなどの金属、エネルギーのための資源などが取りすぎのために不足している問題や、少し質は違いますが、解決しないといけない問題として放射性物質の廃棄をどうするかという点などがあります。

先程のゴミ問題のように、それぞれの問題点を解決させるために対応が必要な課題はまた別のタイミングでまた整理したいと思います

それぞれの問題点の関係性

これらの問題点はそれぞれ関連があるものもあります。最初の図で書いたとおり、多くの問題点が気候変動に関わっています。

気候変動と大気汚染

大気汚染物質の中にも温室効果を持つものがあります。特に新興国などは気候変動よりも大気汚染の方が対応の優先度が高くなる傾向があるため、大気汚染物質にもなる温室効果ガスを削減しましょうといった方が新興国的には対応がしやすいかもしれないですね。

気候変動と海洋汚染

気候変動で温暖化が進むとサンゴの白化が進んでいきます。またサンゴは二酸化炭素を吸収してくれる吸収源でもあるのでそちらがなくなっていくと温暖化も進むことになり、相互に関わっていることになります。

気候変動と森林減少

こちらは想像がつきやすいと思いますが、森林が減っていくと二酸化炭素の吸収源が減るので、温室効果ガスが増加し、気候変動につながります。

なお、私は印刷会社を経営しているので、森林減少の問題は直接的に関与している問題といえます。なので、森林資源の使用量を減らすということを最優先して紙や印刷を考えるとどのようにできるかを下記の記事に載せています。

環境問題に興味ある皆様に読んでいただくと参考になる内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください。

気候変動とオゾン層破壊

オゾン層破壊が気候変動につながるということは特にないですが、オゾン層を破壊するフロンガスが温室効果ガスであることから、気候変動にもつながることになります。ちなみにオゾン層破壊の問題は環境問題での中でほぼ解決できた珍しい問題と言われてます。

参考資料

Explore Topics | UN Environment

ヨルゲン・ランダース 2052 今後40年のグローバル予測 日経BP社 (2013/1/9)

金巻龍一 外資系コンサルタントの企画力―「考えるスイッチ」であなたの思い込みを覆す 東洋経済新報社 (2015/4/9)

生きてる地球レポート2016 WWF

大気汚染と気候変化の新たな関係:地球温暖化のもうひとつの原因

オゾン層破壊が温暖化の原因?

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