アグリテックのユニコーン企業であるIndego Agが行っている活動のterraton initiativeが革新的な技術無しでも気候変動を解決できる可能性を持っているので紹介します。
Terraton Initiativeとは
この動画を見るとよく分かるのですが、英語なので簡単に紹介しておくと、
植物は光合成によって二酸化炭素を吸収して、酸素を吐き出し、炭素を土壌の中に貯める仕組みになっています。それが産業革命以前であれば3%あった炭素の濃度が今1%になっているという状態です。それを3%に戻すことができれば1兆トンものCO2を吸収することができるはず。そしてそれは新しい技術ではなく、今ある技術でできる現実的な方法だという話です。
その方法は
- 被覆作物を植える
- 不耕起栽培
- 輪作
- 化学肥料を減らす
- 農場での放牧
です。
被覆作物を植える
作物の間に他の作物を植える方法で、それをすることによって土壌を強くするだけでなく、雑草や害虫からの被害を減らすということもあります。かぼちゃの雑草からの被害を守った間作物の事例なども紹介されていました。日本でも害虫から
昔からやられていた方法で、手間がかかることから最近はやられないことが多いということなので、その手間を削減できる方法があればいいのでしょうか。
不耕起栽培
耕さない農業をするという方法です。土壌を耕すことで酸素が地中に供給されることで有機物の分解が進みそれが作物を育てるのによいとして行われていたが、結果として土壌が弱っているということでそれを避けるような方法です。
にあるように日本で進めるにはまだ課題があるようです。
輪作
一種類の野菜・作物を育て続けることで土壌が弱ってしまったり、特定の害虫や雑草を減らすことができるというものです
化学肥料を減らす
有機栽培で農薬を使わずに育てるというものが広がってきている印象があります。Indgo Agでは厳しい環境で残っていた作物には微生物が影響していることからIndigo Microbiome Products微生物でコーティングした種を使って収穫量を増やし、農薬を使う量を減らすことができるようにしています。
農場での放牧
農場で放牧させることが土壌の炭素貯留に効果があるというデータもあり、糞尿が肥料としても使えることからより土壌によい影響があると考えられています。
削減したCO2を買い取ってもらえる仕組み
Indigo carbonで農家が土壌の炭素貯留量を増やしたことによるCO2削減量を販売できるマーケットも用意していて、それによって農家の収益を上げる仕組みを作っています
このように今すでにある技術で農業のやり方を昔ながらの方法に戻すことでCO2を削減するという素晴らしい方法です。これが日本でも広がればと思うのですが、難しいことが多いのでしょうか。農業専門家の方にお聞きしたいところです。
参考資料
赤池一彦 混作や間作など作付構成の多様化を利用した
野菜の有機栽培に関する研究 2016