Googleは環境問題に対してどんなアプローチをしてるのか

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グーグルの環境問題に対しての対策が徹底してやられていて、しかも自社のサービスが他の会社の環境対策へ役立つというアピールの仕方が他の会社にも応用できるやり方だと感じたのでその紹介をします。

グーグルの環境対策の概要

まず、グーグルはもう10年前の2007年からずっとカーボンニュートラルで、2017年には全てが再生可能エネルギーでまかなえるようになるということです。2016年のCO2排出量は2.9mtで、売上高あたりの排出量は5年前に比べて55%も下げています。

カーボンニュートラルとは、自社のCO2排出量をゼロにできない分、他でCO2排出量を削減しているプロジェクトにお金を出すことでその分を買い取り、実質排出量がゼロとなっている状態のことです。

また、自社がカーボンニュートラルであることから、Gmailや Gsuiteを利用し、利用者が自分でサーバーなどを持たなくてよくなれば、利用している会社のIT利用によるCO2発生量も85%削減させることができると言っています。これが環境対策した会社がお客さんにアピールする際に言うべきポイントですよね。

グーグルの環境対策の具体的な内容

基本的な考え方

グーグルの環境対策をするうえでの方針は

  • エネルギーを効率的に利用して減らしていくことを強く目指す
  • リニューアブルエナジーを大量に買い・投資する
  • それでも足りない分はカーボンオフセットを買う

というシンプルなものです。CO2の排出量を最優先にして、その他に水の利用料を減らすこと、廃棄物を減らすことも目指しています。グーグルの本社があるカリフォルニア洲は水不足が深刻なエリアなので、優先順位は高いのかと思われます。

データセンターやオフィスでの対応状況

主に電力を使うのはデータセンターですが、そこでの電源利用の効率化を薦めていて、5年前と比較して3.5倍の処理能力を同様の電力で提供しているということです。

オフィスでの対応はどうなっているのでしょうか。

まずオフィスで有害な素材や、レッドリストに入っている素材を使わないよう管理できるシステムPorticoというものを使っています。

ライトは生産性を高め、ストレスを与えないことを最優先としながらも、外からの光を最大限に利用するような構造にしています。

そして特質すべきはフードロス対策。2016年には700,000キログラムのフードロスを減らすことができたということです。データを分析し、作りすぎたことがわかったら買う量を減らすといったことがすぐに対応できるようなシステムを利用しているようです。(参考文献2)

また通勤もできれば一人で車を乗ることを減らすことを目指していて、一人での車通勤を45%まで減らしたという記載がありました。

グーグルはどんなカーボンオフセットプロジェクトに投資しているのか

グーグルがカーボン・オフセットプロジェクトを決める際のポイントとしては

  • 高品質で第三者機関に認定されているもの
  • 一時的な解決策ではなく、永久的に温室効果ガスを減らせるもの
  • 可能な限り長期の投資をして資金面を安定させる

ということで、すでに40ものカーボン・オフセットプロジェクトに投資し、16mtのCO2を削減しているということです。

グーグルのカーボン・オフセットプロジェクトのテーマ例

廃棄物メタンガスの処理

埋立地などの廃棄物はメタンガスを発生します。メタンガスはCO2の25倍もの温室効果があるので、メタンガスを処理するのが必要になります。メタンガスを集めて燃やしたり、電気にしたりというプロジェクトにお金を出しています。

Oneida-Herkimer Solid Wasete Management Authorityというプロジェクトではグーグルの資金のおかげで計画より3年早く実行でき、0.5mtのCO2削減に貢献したという事例があるようです。

畜産のメタンガスの処理

畜産で発生する動物の廃棄物は同様にメタンガスを発生します。動物の廃棄物を溜めて、メタンは集めて燃やすか電力、熱などに利用し、肥料にできるものは肥料にするというプロジェクトにも投資しています。(参考文献3)

自社のサービスが他社の環境対策になる

グーグルがやっているサービスで他社の環境対策になるものが多く、大きく2つのパターンがあります。

一つはグーグルがカーボンニュートラルなので、そのサービスを利用すれば環境対策になるというもので、もうひとつは色々なデータを提供することでそれが環境対策に使えるというもの。

前者の例ではGmailやGsuiteなどを使い、お客さんが自社サーバーを使わないことで、CO2の排出量を減らせる(85%も)というもの。

後者はたくさんあるので例をあげておきます。

グーグル・マップで道路情報にアクセスしやすくすることで公共交通を使うのを促進

Global Fishing Watchで漁業の状況を把握

グーグル、世界の漁業活動を「Global Fishing Watch」で可視化 – CNET Japan

Global forest watchで森林の状況を監視

Googleマップ利用の森林破壊監視ツール「Global Forest Watch」 – ITmedia NEWS

Project Sunroofでソーラーパネルをつけるメリットがあるのかを判別

ソーラーパネルを設置したいけど、ホントに節約できるの? そんな人びとの疑問にこたえるGoogleによる新サービス「Project Sunroof」 | greenz.jp | ほしい未来は、つくろう。

参考文献

<p(1)PDF:Google 2017 environment report

(2)PDF:Google Bay Area Waste Case Study

(3)PDF:Google’s Carbon Offsets:Collaboration and Due Diligence

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