温室効果ガスといってもいくつか種類があるのですが、具体的にどんな種類があり、どれくらいの発生量なのでしょうか。
世界の温室効果ガスの発生割合
世界全体での温室効果ガスの発生割合としては下図のようになっています。
圧倒的に多いのが二酸化炭素で、石炭や石油の消費などのエネルギー関連が一番大きな原因です。その次に多いのがメタンでガスのパイプラインからの漏れや、農業・畜産関連で多く発生しています。畜産関連では家畜の排泄物や、ゲップで多く発生しています。
日本の温室効果ガスの発生割合とその推移
では日本においてはどうなっているかというと、下図のようになっています。
圧倒的に二酸化炭素が多くなっています。二番目に多くなっているのがHFC(ハイドロフルオロカーボン)で、フロンガスの一種です。フロンガスは冷蔵庫などの冷媒にいい気体として開発されていたのですが、元々よく使われていたCFC(クロロフルオロカーボン)というのが塩素を含んでいて、これがオゾン層破壊につながるということで、その代わりに使われるようになったのがHFCです。
でも、温室効果としては二酸化炭素より数千倍あるので温暖化の原因になっています。冷蔵庫やクーラーなどに良く使われています。
日本の温室効果ガスの排出源のガスの割合を1990とくらべてみると以下のようになります。
日本で排出量が増えているのは二酸化炭素とHFCで二酸化炭素が6800万t、HFCが2300万t増えているので、増分を見るとHFCも決して無視できない量なことがわかります。
温室効果ガスの種類と特徴
各温室効果ガスごとに温暖化への影響度が違って、二酸化炭素をベースに換算してます。また、それぞれの気体によってどれくらいの期間大気に残り続けるかも違うので、その内容をまとめておきます。
名称 | 対CO2温室効果比率 | 大気に残る期間 |
二酸化炭素 | 1 | 1000年 |
メタン | 25 | 10年 |
一酸化二窒素 | 298 | 100年 |
HFC※ | 1430など | 14年など |
ガスインベントリ報告書、IPCC報告書参照
※HFCにも色々な種類があるので、などという記載をしています。
二酸化炭素がこれだけ長い大気中にとどまっているので、温室効果ガスの排出をすぐ止めたとしても温暖化がとまるわけではないというのがわかりますね。また、他の気体に関しては二酸化炭素より温室効果が高いので、量が少ないからといって無視するわけにはいかないです。