アマゾンのパッケージゴミ問題への取り組み

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

アマゾンで買い物をすると実際の商品の箱にビニールのパッキンが詰めて大きい箱に入ってて、勿体ない気がすると思ったことがある人は多いと思います。その問題に対してアマゾンは何もしてないわけではなく、革新的な方法で手を打ち始めているのでその紹介をしたいと思います。

このサイトを紹介しているだけなので、英語が嫌でない方はこちらを見ていただければ。
アマゾン サステイナビリティ パッケージ

パッケージに求められる要件が変わってきている

今はECの売上が増えてきています。グローバルで見ると2017年で前年対比で小売市場が5.8%成長している中でECは24.8%、アマゾンは31%増えているという状態です。

そして小売の中でパッケージのコストがどれくらいのコストを締めているかという数字をみると、

小売の中でパッケージの締める割合

amazon webサイトより

22.6兆ドルの売上の中でパッケージのコストは1.7〜3.4兆ドル、ECだけでみると3470億ドルになると見られています。

そしてパッケージは大きいパッケージになればなるほど輸送効率が下がり、輸送にかかるコストやそれによる石油利用増加にもつながってきます。

一方でECが増えていくと、今までパッケージに求められていた要件が変わってきます。ECであれば商品の写真をみて、レビューなども見ながら実際には触らずに購入をするわけです。なので、今まで重要視されていた、

  • 素敵なパッケージを作る
  • 展示したときに面を取れるような大きいものにする
  • 盗まれにくいようにする

といったことが全く気にする必要がなくなってきます。それよりも配送したときに中身に何も問題ないことの重要性が高まってきます。

そういった背景から考えると、パッケージのデザイン自体を一から考え直した方がいいのではないかというのがアマゾンが考えていることです。

アマゾンがパッケージで目指していること

アマゾンがパッケージで目指していることは

アマゾンがパッケージで目指していること

amazon webサイトより

  • ゴミを減らすデザイン。アマゾンで余計な箱をつけなくて良いデザイン
  • ダメージから守れる
  • 簡単に空けられる
  • リサイクル素材(100%)

といった内容です

アマゾンのフラストレーション・フリー・パッケージ

上で書いた目指している姿を実現するために、商品のメーカー側と一緒になってフラストレーション・フリー・パッケージというパッケージを開発しています。これ率直にすごいなと思うとともにパッケージをメインに制作している会社にとっては脅威だろうなと思います。

アマゾンでは一つの商品が配送されるまでにフルフィルメントセンターやらソートセンターやら20回くらい移動するため、その振動や、落とされたときの衝撃などをシミュレーションする機械をつくっています。そして、メーカー側のおしゃれなパッケージは全く使わず、ダンボールの中に直接商品を入れるという作りにしています。具体的には

フラストレーション・フリー・パッケージの例

amazon webサイトより

上記のように、箱にしっかり止められたおもちゃがさらにパッキン+ダンボールで包まれてると19個も空けたり取り外したりしないといけないのが、ダンボール1個あければ良くなる。

それによって必要な資源もだいぶ減らせるし配送で必要なスペースも削減できるというものです。

他にもちょっとした改善だけど、メーカー側と一緒に考えるだけでだいぶ改善できるという例なのですが、

簡単な改善事例

amazon webサイトより

上の写真のように、メーカー側が縦に積み上げた形でパッケージした商品だと、アマゾンでダンボールに入れる際に左のような大きいのに入れるしかないけれども、メーカーが横に広げるような形でセットにしてくれれば、それだけで箱のサイズが小さいものでできるとったこともあります。

パッケージの会社にとって脅威だと言っているのは、パッケージの会社が同じことをしようとしても、結局アマゾンのテストを通ったもので無い限りはアマゾンとしては更に箱に入れざるを得ないわけで、このパッケージを実現するにはこのテストできる環境をオープンにでもしてくれない限りはこのパッケージはアマゾンにしか作れないという点かと思います。

リセールプライスもあがるのでは

これはどこかに載っていたわけではなく個人的な意見なのですが、アマゾンが箱も作れるし、簡単な説明書も印刷できてしまうとしたら、中古品の価格が一段階上げられると思っています。

というのも、日本だけなのかわからないですが、箱のありなしで中古の売買価格は結構変わってきます。それがアマゾンに箱があり、説明書もあるとしたら、商品だけアマゾンのフルフィルメントセンターに送ってくれればアマゾンの倉庫で箱付きの商品に変わるわけなので。純粋な商品の状態によって中古価格が決まってくるというよい流れにもなっていくのではないかと思いました。

参考資料

アマゾンウェブサイト サステイナビリティ パッケージ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。