温暖化の大きな要因であるHFCとは

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温暖化の要因になる温室効果ガスのHFCが影響力も大きいうえに、かなり削減できる可能性があるものなので、どのようなものなのかを紹介します。

サマリ

HFCはフロンガスの一種で、冷蔵庫やクーラーの冷媒として使われています。オゾン層は破壊しないものの、温室効果が高く、二酸化炭素の数百〜一万倍の影響があり、しっかり対策すれば最も温暖化改善の結果がでる気体とも言われています。また、発生するガスの90%は廃棄時に出るということなので、処分がかなり重要です。2016年のキガリ改正で世界的に削減することをルール決めしたので、これから減らしていく方向で各国が動いていく流れができています。

温暖化を止めるため対応としてもっとも効果が大きいとも言われているガス

HFCとは何か

HFC(ハイドロフルオロカーボン)はフロンガスの一種で、冷蔵庫やクーラーの冷媒として多く使われています。フロンガスというと、30代以上の人であればオゾン層の破壊で問題になったやつという認識が多いかもしれません。フロンガスの中にはCFC(クロロフルオロカーボン) (塩素とフッ素と炭素)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカ-ボン)(水素と塩素とフッ素と炭素)、HFC(水素とフッ素と炭素)で最初の2つが塩素の影響でオゾン層の破壊に影響があるけど、HFCは大丈夫ということで近年急激に利用が増えていたものです。

でも、温暖化への影響っていう意味ではHFCも良くないよねというのが今問題になっている所です。

Drawdownという温暖化解決のための解決策を出来る限り網羅して、2050年までに対応すればどれくらいの効果があって、そのためにはどれくらいのコストがかかるのかをまとめた素晴らしい本があるのですが、

その中で一番効果があるとされているのが、冷媒の管理(REFRIGERANT MANAGEMENT)で、2050年までで897.4億トン分のCO2削減効果があると言っています。

日本でも影響力が大きい

温室効果ガスの種類とその割合でも書いた通り、日本で1990年と2015年で温室効果ガスの量を比べた時に、倍以上、CO2換算で2300万トン増えているのがHFCです。

温室効果が二酸化炭素に比べてどれくらい大きいのか

温室効果を測るうえで、二酸化炭素に換算したときにどれくらいの影響があるのかというのを表す地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)というのがあります。HFCは各元素の付き方によって色々な種類があり、種類ごとにGWPは違うのですが、例えば以下のような数値になります。

名称 GWP
HFC-23 14,800
HFC-32 675
HFC-125 3,500
HFC-134 1,100

ちなみにダイキンが実現性と環境を考えた時に最適だと今考えているのがHFC-32をつかった物なようです。

どこから発生するものなのか

ではHFCはどのようなものから発生しているのかというと、冷凍冷蔵機器で発生する割合は経済産業省の資料によると下図のようなものになります。

<HFC発生機器/p>

コンデンシングユニットというのは業務用の室外機に相当するもので、割合としては一番大きなものになります。

回収時が一番問題?

HFCについての影響を考える時に、勿論HFCを使わない製品を広めていくということも大切なのですが、もっと重要な点がありそうで、前述のdrawdownによると

Because 90 percent of refrigerant emissions happen at end of life, effective disposal of those currently in circulation is essential. After being carefully removed and stored, refrigerants can be purified for reuse or transformed into other chemicals that do not cause warming.
Refrigerant Management | Drawdown

ということで、HFCの発生の90%は廃棄する時に起きるもので、それをちゃんと処理できれば90%削減することができるということです。一方でエアコン等の回収がどれくらいされているかというと30%程度しかされてないとも言われています。

HFC削減に向けての世界の動き キガリ改正

HFC削減に向けて世界的な動きも起きていて、以前オゾン層破壊を防ぐためにフロン撤廃を決めたモントリオール議定書にさらにHFCも規制の対象に入れようというキガリ改正というのが決まっています。

具体的には170カ国が発展具合に応じて、先進国であれば2019年から削減を始めて徐々に減らしていき2036年までに2011〜2013年までのHFC生産・使用量よりも85%削減減らしていくというもの。

一番最後に対応するインドを含む途上国第二グループについては2024年〜2026年の利用量を基準に2032年までに10%、2037年までに20%、2042年までに30%、2047年までに85%という目標になっています。途上国はこれからますますエアコンの数が増えていく中で、2024〜2026年の量を基準に削減となると、削減しやすくなるようにその間はなるべくHFCの利用量を増やしておこうというインセンティブが働きそうで怖い気もしますが。

参考文献

The Kigali Amendment to the Montreal

冷凍冷蔵機器について/経済産業省 製造産業局 化学物質管理課

Refrigerant Management | Drawdown

モントリオール議定書及びキガリ改正の概要/経済産業省 オゾン層保護等推進室

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