世界の発電量データ

世界の温室効果ガス排出量データで排出量のデータは載せたのですが、同様に電力についても数字で把握しておくと電力関係の情報を見た際にそのインパクトも判断できるので、世界の発電量についても記載しておきます。

世界全体の発電量は2014年に23,816TWh、1990年では11,864TWhとなり、24年で倍以上に増えていることがわかります。

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kering社の環境損益計算書EP&Lとはどんなものか

経営をしていく上で損益計算書を見ていない人がいないように、数字で管理をしていくことが経営では当たり前です。一方で環境問題はというと、CO2の排出量だけであれば数字で管理することができますが、他の例えば水の利用量や、土地の利用を減らしていくといったことを考えた時に、それぞれの数値で管理していくことももちろんできるのですが、全社員の意識をあわせるというのは難しい面もあると思います。

グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、サンローラン、ブシュロン、プーマなどをもつコングロマリットブランドを持つkerning社がそういった問題を解決するためにE P&L(Environmental Profit and Loss Account) 、日本語でいうと環境損益計算書というものを使って管理しています。とてもよくできた仕組みなので紹介します。

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H&Mが取り組んでいる洋服のリサイクル

アパレルの世界でも環境によいもの目指す取り組みは多く出てきており、H&Mが洋服のリサイクルを進めているのでそれを紹介します。

サマリ

H&Mでは洋服の回収(他社製品問わず)を2013年から開始して55,000トンを回収し、リウェア、リユース、リサイクルを進めています。Worn Again社と共に、ポリエステルとコットンをリサイクルする繊維なども開発しています。

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再生可能エネルギー100%を実現するための論点

100%再生可能エネルギーを目指す企業が加盟する「RE100」が加盟企業の数を増やして来ていて、これから多くの企業が目指していく流れがあるのですが、本当に再生可能エネルギー100%を目指すには課題がたくさんあるので、どのような論点があるのか整理してみます。

サマリ

再生可能エネルギー100%を目指す上での難しい点は太陽光や風力が不安定な電源であることです。それをカバーするためには、配電網をかなり広げる、電源を貯めるといったことが重要になります。排出量を実質ゼロにするために原子力や火力とCO2(二酸化炭素)回収貯留(CCS)を合わせて使うといった方法も現実的には必要です。

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チラシの印刷による二酸化炭素排出量はどれくらいか

紙での印刷は環境に負荷をかけているという印象はあるものの、実際にはどれくらいの影響があるのでしょうか。どれくらいの排出量があるのか、発注側の視点として持っておいた方がいいことはどんなことがあるでしょうか。

サマリ

チラシなどの印刷によって発生する二酸化炭素の大部分は紙の製造にかかる分になります。よく使われるA4サイズのコート紙(90kg)という紙の製造で1枚6.53g。印刷が身近になった今、チラシ1,000枚でも2,000枚でも値段は2,000円程度の差で作れますが、環境への負荷は倍であることは発注側として知っておいた方がよさそうです。

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段ボールの二酸化炭素排出量はどれくらいか

ネット通販の利用が増えている昨今、家でも毎日のように段ボールのゴミがでているのですが、ふとこの勢いで段ボール利用が増えても環境的に問題ないでしょうか。

サマリ

段ボールの1箱あたりで発生する二酸化炭素の量は概算で1箱あたり200〜300g程度です。日本での1年間の二酸化炭素排出量合計は約685万トン。単純計算で日本全体の温室効果ガス発生量の0.5%程度。段ボールは95%が回収され、90%以上が再利用の紙で作られているため、新たな木の伐採はほとんどなく利用できています。

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ニューヨークの環境問題への取り組み方が素晴らしい

ニューヨークは環境問題の対応が計画的にされていてとてもうまく行っています。その考え方、進め方が他の地域・会社でも活かせる部分がたくさんあるので紹介します。

この本のニューヨークの事例の部分を中心に紹介しています。

サマリ

都市をよりきれいに、市民を健康にし、仕事を増やし、生産性を高めるということを目指した結果が温暖化改善につながるという考え方のもとで、ブルームバーグ元市長がPlaNYCという計画をたてています。建物からの排出量が75%であることを把握し、その改善のために法律も整備していく、対策を立てることで雇用も増やしていくということを実現しています。

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Don’t even think about it なぜ気候問題は難しいのかがわかる本

気候変動などの環境の問題は重要な問題で昔から言われているのに、あまり状況が変わらなかったり、寧ろそういう問題について表立って意見すると奇異な目でみれるくらいの印象があります。なんでなのでしょう。その理由がわかれば対応のしようがあるかもしれない。

ということで、この気候問題がなぜ、存在しないかのように扱われてしまうのかを色々な観点から解説した本を紹介します。

サマリ

本書では色々な観点からなぜ気候問題について、タイトルどおり「考えようともしない」ことになるのかが書いてます。
自分自身が問題を起こしている点、明確な敵がいないといった問題の構造的な難しさ。
個人がやることのインパクトの小ささなどによる、モチベーションを保つ難しさ。
自分ごととして捉えづらいコミニケーションのとり方などが問題としてあげられています。
その結果、どうすればいいかわからないから周りの人がやってる通にするということになり、解決が進まない。という構造です。
この本の考え方は気候変動などによらず色々な問題に応用できそうです。

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