印刷会社が自社の年賀状を止めた話

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私は印刷会社を経営しているのですが、来年会社で(個人もですが)年賀状を出すのを止めました。

その背景をお伝えしたいと思います。

年賀状のCO2発生量

チラシの印刷による二酸化炭素排出量はどれくらいかでも参考にした、日本製紙連合会が発表している紙・板紙のライフサイクルにおける CO2排出量と、日本郵便の2018(平成30)年用年賀葉書 当初発行枚数の種類別内訳を参考に年賀状製造時に発生している二酸化炭素量を推計してみます。

年賀状はがき1枚の重さがだいたい2.8gなので、25億8600万枚で紙の重さが約7,240トン

上級印刷紙の排出量が1トンあたり1,470kgの二酸化炭素なので、約10,642トンが2018年の年賀状製造時に発生している二酸化炭素量になります。

日本の全体の12億トン程度に比べればほんの一部ではありますが、日本全土でやる習慣なので結構な量ととらえることもできるとは思います。

年賀状に求めるもの

年賀状が意味の無いものだとは全く思っていなく、活用次第でビジネスに十分活かせるとは思っています。

以前読んだ年賀状でビジネスを成功させる、たった2つの方法
この記事にもあるように、デジタル時代だからこそのアナログの効果はとても大きいと思っています。

一方で弊社に関しては、残念なことに全くそのような活用ができておらず、ただ印刷して、特になんのコメントも入れず、多くの場合は法人宛に送っているのが現状でした。

そのため、社内に伝えたこととしては、コミュニケーションを密に取ることを目的に年賀状を送るならそれは止める必要はない。そのためにはそれこそ直筆で手紙を書くくらいの気持ちで書いたほうがいい。

無意識の習慣としてただやっているだけなら、その日本全国多くの人の積み重ねが前述のような10,000トンの二酸化炭素にもつながっているわけで、環境を意識したいと考えている今、なにも考えずに続けるのだけは止めたいと思っている。そこまでの手間はかけられないというなら止めてしまおう。そのかわり私が今年から代表になり、今まで行けていなかったところも含めて正月どこへでも挨拶に行く。

ということを伝えて結果止めることにしました。

その後どうしてもここには出したいという意見も出てきたりで、ただ社長がいうからやるというのではなく、良いコミュニケーションをとるきっかけにもなりました。

もちろん印刷物は今後も残っていきますし、デジタル時代だからこその価値の提案・提供を印刷会社として続けていくことはお伝えしておきたいと思います。

参考資料

紙・板紙のライフサイクルにおける CO2排出量

2018(平成30)年用年賀葉書 当初発行枚数の種類別内訳

年賀状でビジネスを成功させる、たった2つの方法

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