牛のゲップのメタンを減らすことができるのか

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前にも世界のメタンの発生源 牛のゲップが主要因なのかの記事で書いた通り、温室効果ガスの中でメタンの発生のうち24%を締めていて、全ての温室効果ガスの発生量の中でも4%程度を占めています。

これを減らすとなると、牛肉の需要量を減らすか、発生するメタンの量を減らすかとなりますが、牛のゲップのメタンを減らす研究はされているようです。

最も実現化が近い3-NOP

3NOPが牛のげっぷ中のメタンを3割減らすの記事でも書いてある通り、

Project “Clean Cow” | DSM

オランダのDSM社が作った3-ニトロオキシプロパノール(3-NOP)で出来た薬を食べ物に混ぜることで、メタンの量を三分の一程度減らせるようです。この会社は500万ドルをかけて開発し、現在アメリカのFDAの承認待ちで2年位かかるようです。

ポイントは安全性と消費者に受け入れられるか

Cutting Down on Cow Burps to Ease Climate Changeこの記事にも記載があるのですが、ニュージーランドでメタンの発生を抑制するワクチンの研究が進んでいるようです。実用化にいたるまでにはまだ数年かかりそうで、こういったものが広がっていくためにはポイントが二つで

  • 安全性に問題が無いのか
  • そのような牛を消費者が受け入れてくれるか

といったところになります。安全性に関しては、それによってミルクや牛肉の質・量に問題が起きないかといった所が問題になります。

最後に問題になるのは、遺伝子操作されているものを食べたがらない人が多いように、作ったものの消費者に受け入れられないというのが広がらなくなる一番の要因です。

牛のメタンの排出量を減らせないとなると、消費量を減らすのが必要になってくるのですが、食生活を変えるのは長年の習慣を変えるということでハードルが高く、環境を理由に肉食を減らすのはかなり難易度が高いと思います。一方でビーガンやベジタリアンに興味がある人にこういった情報を伝えてより環境への意識を高めてもらうことは有効なはずなので、そのような食事を提供する方には知っていて欲しい情報ですね。

参考文献

Cutting Down on Cow Burps to Ease Climate Change
3NOPが牛のげっぷ中のメタンを3割減らす
Project “Clean Cow” | DSM

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