顧客はブランドに何を求めているのか。常にブランドが意識していることですが、それをミレニアル世代などの世代だけでは区切ることはできず、サステイナブルに対する意識や消費スタイルによってわけて捉えて、ブランドに何が求められているかについてのリサーチが参考になるのでご紹介します。
買い物好き&責任ある消費をしたいという層が一番多い
リサーチ内容はこちらのリンクです
Five Human Aspirations and the Future of Brands 2016
21ヶ国(日本は含まれていません)の21,000人の人に対面、電話調査をした結果です。
買い物好きなどの物質主義(Materialism)という切り口と社会的、環境的価値という2軸でみたときに、結果としては下図のような分布になっています。
一番多いのがAspirationalsとしている層で、日本語にすると”意欲的な消費者”で、買い物は好きで、社会的、環境的な価値も大切としている層で、それが40%となっています。
平均年齢では39歳、18歳以下の子どもがいる親が47%、女性52%、男性48%というような層です。
Aspirationalsはどんな考え・行動か
その一番多いAspirationalsはセンスがよいのが好き、買い物が好き、社会的なステータスも大事な一方で責任のある消費が重要と考えているような層になります。なので例えば”新しいものを買うのにワクワクするか”という質問に関しては84%がYESと答えている(世界平均は58%)し、”未来の世代の環境を守るためには少ない消費にすべきか”という質問に関しても88%がYESと答えています(世界平均は72%)
また企業に期待するものとして選んだもの上位は
- 安全で健康的な商品を保証すること(74%)
- 公正な賃金を与えること(72%)
- 環境に悪影響をもたらさないこと(70%)
で、関心のある問題としては
- 公害や環境問題(91%)
- 汚職(89%)
- 貧困問題(88%)
といったような層になります。
ブランドとして何を提供すべきか
そのような層に対してブランドとしてどんな価値観を提供すべきかというと、
- 少ない資源・廃棄物で実現できる豊かさを提供
- 正直・美しいさが大切で不完全でもありのまま姿を出す
- よりブランドとつながることができる関係性
- 決められたものではなく自由な経験
といったものが大切だろうと書かれています。
(1)でいえば、まさにサーキュラーエコノミーを実現させることを目指すブランドが求められるということになります。
(2)の例であがっているブランドとしてはエバーレーンがあります。ここは環境を意識したブランドであることに加えて、原価を公開するなど徹底的に透明性の高いブランドです。
(3)についてはtime incの方のコメントが印象的でした
消費者はブランドに”私達と彼ら”の社会から”私達”の社会に変わって欲しいと思っている
ストーリーを共有し、コミュニケーションを取れる場を多く作っていくことが大切になってきます。
環境の問題を解決できるようなブランドを身につけたい、そういうブランドだけを買いたい、そしてそういうブランドと関係性を深めていきたいという思いは今後より強まっていくのではないでしょうか。
参考資料
BBMG and GlobeScan |Five Human Aspirations and the Future of Brands 2016