サーキュラーエコノミーを広げていくために新しいテクノロジーを利用していくことが大切になってきます。AIをどう活用できるかという記事があったのでその内容を中心にご紹介します。
サーキュラーエコノミーにAIをどう利用するか
エレンマッカーサー財団のArtificial Intelligence and the Circular EconomyというレポートにAIをサーキュラーエコノミーにどう活用していくかということが書かれていました。
サーキュラーエコノミーにおいては「ゆりかごからゆりかごへ(Cradle to Cradle)」とはでも紹介したように、循環できるように製品のデザイン自体を改めて考えたうえで、サーキュラーエコノミーとは何か〜サーキュラー・エコノミー デジタル時代の成長戦略概要〜で紹介したような、
- サーキュラー型のサプライチェーン
- 回収とリサイクル
- 製品寿命の延長
- シェアリングプラットフォーム
- サービスとしての製品
といった形のビジネスモデルを作っていく必要があります。
そのためにAIの活用が進んでいる領域として、
- 製品のデザインを変える
- サーキュラー型のビジネスモデルを最適化させるための活用
- サーキュラーエコノミーのためのインフラ
があげられています。
製品のデザインを変える
サーキュラー型の製品を作るためには、効率的に素材の組み合わせなどを考える必要があります。
Cradele to Cradleの考え方では自然界の循環と産業界の循環を分ける必要があって、産業界の中でも有毒なものは使わず、さらにリサイクルする際にクオリティを落とさないような素材の利用がポイントです。
CITRINE INFORMATICSという会社でのフローチャートがまさにそのような内容を表しています。
サーキュラー型のビジネスモデルを最適化させるための活用
サーキュラー型のビジネスモデルとして言われている
- サーキュラー型のサプライチェーン
- 回収とリサイクル
- 製品寿命の延長
- シェアリングプラットフォーム
- サービスとしての製品
のようなビジネスモデルを実際にまわしていけるようにするためにAIがサポートできることが多くあります。
製品寿命を延長させるためには、メンテナンスを予測できれば、悪くなる前に改善することができます。例えば、工場の機械や家電などで、画像認識の技術を使えば予測でメンテンナンスできます。
リサイクルを活性化するためには、その市場が無いといけない。メルカリなどがその役割を果たしているかもしれないですが、家電などの領域に関しては、その製品の状態などが正確にわかるようになっている方がユーザーも安心して利用できるし、売ろうとする人も増えていきます。
それを実現するために、画像認識の技術で診断、プライシングまでできればさらに広がっていく可能性があります。
ダイナミックプライシングでもAIが活用されていて、
フードロスをへらすという観点でもとてもよいなと思ったのが、
Wastelessという会社の仕組みです。
下の写真のように消費期限が近いものが安くなるという表示ができるものです。
フードロスをへらすために、奥から商品を取りましょうと啓発するのは大事ですが、明らかに価格差として購入する人にメリットが出せる方法の方がより望ましいのではないでしょうか。
サーキュラーエコノミーのためのインフラ
サーキュラーエコノミーを広げるためには、使った商品を回収して再利用できるようにするインフラがとても重要になってきます。
リサイクルの際に電気製品等をソートする技術に関しては画像認識・処理によってだいぶ進んできています。
ZenRoboticsやREFINDという会社を見るとだいぶ進んできているようです。
ZenRobotics社
REFIND社
参考資料
Ellen Macartur Foundation(2019) Artificial Intelligence and the Circular Economy